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卵子や胚の発生

卵子の老化

最近では「卵子の老化」という言葉を耳にする機会が増えたと思います。加齢に伴って、哺乳動物の卵子や受精後の胚の質は低下し、子どもを授かりづらくさせます。現在、晩婚化や出生年齢の上昇により多くのカップルが加齢による不妊と向かい合っています。ヒトの卵子を研究する上では、サンプルの少なさや倫理上の問題といった障害があり、モデル動物が求められます。そこで私たちの研究室では、ヒトと同様に生殖補助技術が広く用いられている家畜動物であるウシをモデル動物として研究を行っています。
加齢卵子は様々な能力の低下や異常が報告されていますが、質の低下を引き起こす原因やそのメカニズムは未だ明らかになっていないことが多くあります。これらのことを明らかにすることで質の改善に繋がると考えています。私たちが注目したのが細胞小器官であるミトコンドリアです。加齢の影響により卵子内のミトコンドリア数の減少や機能が低下することが報告されています。ミトコンドリアは細胞のエネルギーとなるATPの産生やアポトーシスの制御など細胞において中心的な役割を担っていることから、私たちは「どうしたら加齢卵子中のミトコンドリアの質を改善できるのか」という研究を取り組んでいます。実際、薬剤の培地への添加で加齢卵子のミトコンドリアの機能が改善し、卵子の質を向上させることをこれまでの研究で報告しています。

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